NOBELU -演-

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NOBELU -演-』(ノベル)は、原作:野島伸司、作画:吉田譲日本漫画。『週刊少年サンデー』(小学館)にて、2013年16号から2014年50号まで連載された。

概要[編集]

高校教師』、『家なき子』など数々のTVドラマの脚本を手がけてきた野島伸司の初漫画原作作品。

この作品の担当編集者によると、野島が漫画の原作に興味を持たれているという話を聞き、約2年前から接触し、月1、2回くらいのペースで会って様々なアイデアが出る中、本作の連載に至ったとのこと 。野島は、今回物語を書き下ろす場に少年漫画誌を選んだ理由を、「僕は価値観の固定した大人たちに向けて(物語を)作ることには抵抗があります。それはあるあるという共感か、よくて鑑賞でしかなく、まだ未完成な情緒に刻み、ずっと忘れられないシーン、セリフ、つまり物語としてその彼、彼女の心に存在することができないからです。それがマンガの、それも少年誌という、理想的な受け手がいるジャンルにチャレンジしてみたいと思ったキッカケです」と話し、「どうかハラハラドキドキ、時に笑い、時に涙し、また時に胸を震わせ、主人公ノベル(演)とともに、この物語に飛び込んでみてください」と読者にメッセージを送っている。[1][2]

さらに、連載開始号の目次コメントにて、「TVよりも若い世代が見る漫画で、物語を紡いでみたかった。楽しんでもらえれば幸いです」とも語っている[3]

ストーリー[編集]

世は空前の子役ブームに沸く。一攫千金を狙う一握りの親達。母子家庭に育つ主人公「波田ノベル」がさまざまな障害が立ちはだかりながらも役者を目指す。

演じる?死ぬ?

あなたは知らない。演じることが、死にも近い苦痛を伴うことを。

登場人物[編集]

波田家[編集]

担当声優はテレビCMでのキャスト。全員子役出身である。

波田 ノベル
声 - 濱田龍臣
本編の主人公。勉強も運動も平均レベル。気弱でネガティブな性格のいじめられっ子だが、芯は強い。心底から母親を愛しているため、母親の我侭に逆らえずにいる。愛読書はレイモン・チャンドラーの探偵シリーズ。DIDにより心の中に「もう一人の自分」を「カッて」いる。
両親が離婚したことにより、母親の手でキララタレント事務所に無理やり入れられ、子役の道を歩むことになる。当初はブロンズクラスに所属していたが、進級試験に合格しゴールドクラスに昇格。しかしヒバリの誘拐事件に巻き込まれ、「真ん中の子」と繋いだことでマーロウを失う。その後すぐに母親が失踪したことで自暴自棄となり孤児院に引き取られる。
暫くは悲しみから立ち直れずにいたが四葉に苦悩を打ち明けたことで復活。安西の指導を受けて「真ん中の子」のコントロールに成功する。
フィリップ・マーロウ
ノベルの「最初の子」たる副人格。冷静かつ自信家な性格に加え、他人の本質を見抜き手玉に取る観察力を持つ。口癖は「お前らレベルが俺を語るか」。
真行寺 マモリ
ノベルの「真ん中の子」たる副人格。無口だが男好き。常に具現化して部屋の隅に佇んでいるが、「最初の子」であるマーロウが顕現していない限りノベルには視認できない。稀に顕現してつまみ食いをするなどマイペースな行動をとる。
波田 イズミ
声 - 安達祐実
ノベルの母親。内向的だが自分勝手な性格の人物。リストラされた夫と離婚。本人に働く気はなく、収入を得るためノベルを虐待してまで子役事務所に入れる。一攫千金を狙ってパチスロで2000万の借金を作り、借金取りとともに帰宅した。かつては純粋無垢な性格で「ノベルの父親」によって今の性格が形成されている。
親として懐疑的な部分もあるが、ノベルの危機的状況に放心状態に陥るなど愛情は少なからずある模様。
ペーソス
イズミの借金を取り立てる闇金業者。夢を語るロマンチストだが、頭のよい切れ者。オズマとは幼馴染。
オズマ
イズミの借金を取り立てる闇金業者で、ペーソスと行動を共にする。喋らない。

小学校[編集]

星名 ヒバリ
キララタレント事務所所属でシルバークラスに属する美少女。通称「ヒバリ姫」。傍若無人かつ女王様気質な性格。事務所をやめさせるため、ノベルをいじめの標的にする。斑鳩トーリのファンだが、一蹴される。ゴールドクラスの進級試験でノベルに敗れ、キララを去り、別の事務所に所属。
堤健太
ヒバリの相棒にあたる取り巻き。母親はヒバリの家の使用人。「ヒバリ姫」に従い、ノベルをいじめの標的にしていたが、別人格のノベルを出現させるきっかけを作った。
田中 純也 / 市川 清五郎(芸名)
キララタレント事務所所属でブロンズクラスに属する。「どこにでもいるデブキャラ」として、ひっそりと学校生活を送っている。
真行寺 トモエ
保険医。児童心理学を専攻しており、ノベルのDIDを見抜き主治医となった。男に興味はないが子供は欲しがっていたため、試験管ベビーとして優秀な男性の精子から娘・マモリをもうけたが、マモリが自ら人工的にDIDとなった末に「最後の子」に支配されたため、DIDを危険視しており、ノベルに副人格の封印暗示を施した。
真行寺 マモリ
トモエの娘。常に冷静沈着で無表情。IQ170の天才児で、心理学に興味を示して自ら人工的にDIDとなった末、「最後の子」に支配され自殺を図ったためトモエに監禁されたが、ノベル、ミコ、トーリが自分達の「最初の子」によって干渉したことで正気を取り戻した。その後ノベルらと同じ学校に編入。
幼少期はアメリカのハイスクールに飛び級し過ごしたが、その前にはノベルと同じ幼稚園に在籍した幼馴染であり、ノベルと2人で溺れかけたことで、互いの魂の一部を分かち合うこととなり、互いを「真ん中の子」の媒体とするようになった。再会後「最後の子」から救われて以降は彼に熱烈な求愛を図る。
マリリン・モンロー
マモリの「最初の子」たる副人格だが、既に自然消滅している。母・トモエのような巨乳になりたいという思いから具現化した。
波田 ノベル
マモリの「真ん中の子」たる副人格。マモリが既にモンローを消滅させているため、直接自身と繋がっている。
最後の子
マモリが研究の末到達した、トーリでさえ到達しなかった領域の副人格。しかし全容までは解明できないまま顕現させたことで、自殺を図るようになった。

キララタレント事務所関係者[編集]

斑鳩 トーリ
キララタレント事務所所属のゴールドクラスに属する国民的子役。トップクラスの人気を誇るが、冷酷な性格。ノベル、ミコ同様DIDで、開始時点で「真ん中の子」を出せるなど彼等より先の領域にいるが体調不良を起こす為出したがらない。一方で病弱な弟に己の体を犠牲にして献身的に尽くす家族愛の強い人物で、友情を軽視していた。
一時期、ノベルと同性愛染みた友情を築くも決別。事務所を移籍した後に腎臓移植を弟に提供するも母と弟の会話で真相を知り自ら家族を切り捨てた。
ノベルを利用しているのかは不明だが、ずっと傍にいると誓っている。
ビョルン・アンドレセン
 トーリの「最初の子」たる副人格。トーリの怒りと絶望を受け入れることができず消滅した。
メイクィーン
トーリの「真ん中の子」たる副人格。名前はメイクィーンだが、ピンク色のプードル
雫石 ミコ
キララタレント事務所所属のゴールドクラスに属する国民的子役。普段は決して笑わない物静かな女の子だが、父親からの過剰な愛と嫉妬に狂う母親からの虐待により、ノベル、トーリと同じくDIDでもう一人の自分を”飼って”いる。トーリに惹かれている一方でノベルに嫉妬している。後、事務所を移籍。
己の存在を卑下しておりスカーレットに頼り切りの面が強かったが彼女が自分自身で消滅し、受け入れた。
スカーレット・オハラ
ミコの「最初の子」たる副人格。マーロウ同様自身に満ち溢れる凛とした女性。副人格の覚醒したノベルに「最初の子」の情報を共有する。ミコがトーリに惹かれている一方で、彼女自身はノベルを想っていた。トーリとノベルが「真ん中の子」と繋いだことで先を越され、嘆いた末にミコを想い消滅した。
ウサギのヌイグルミ
ミコの「真ん中の子」たる副人格。ミコの母が娘への嫉妬から部屋に置いた盗聴器付きのヌイグルミを具現化したもので、名前はついていない。「ムカムカムカデ10匹」が口癖。
碑文谷 タケル
キララタレント事務所所属のゴールドクラスの一人。プロ意識が高く、素人であるノベルを見下すが、真っ直ぐで仲間思いな一面もある。妹がいる。
蛇崩 ナツコ
キララタレント事務所所属のゴールドクラスの一人。母は男女関係のスキャンダルにまみれた有名女優。その汚れたイメージを自らの清純な演技で払拭するため舞台に立つ。
安西 圭一郎
ゴールドクラスの専属トレーナー。四人の子役マスターを育て、事務所を大手に押し上げた実力者。冷酷かつ苛烈な性格で、子役達にも容赦無く現実を突きつけ成長を促す。DIDについての知識も豊富で、ノベルやミコの副人格を見出した他、トーリがメイクィーンを自在に具現化するよう仕立てることにも成功している。
平泉 カンナ
キララタレント事務所所属・ブロンズクラスのマネージャー。22歳。ゆとり世代ということもあってか、楽観的で空気も読めないが、劇中では数少ない良識人。

用語[編集]

DID
現実の解離性同一性障害のケースとは違う独自の解釈がなされている。
最初の子
DIDに罹患して最初に顕現する副人格。主人格を守る役割を持ち、そのために人格的には、自信に溢れ俯瞰的視点を備えた良識あるものが多い傾向にある。役割上主人格の理想を体現した、創作上・歴史上の人物がモデルとなり発現する。通常は思春期を過ぎてアイデンティティが確立されると自然に消滅し、一段階奥で繋がっている「真ん中の子」が主人格と直接リンクするようになる。
真ん中の子
最後の子
子役
現実の子役のイメージを湾曲し、「く(ほど利用する)」という意味を由来にしている。
キララタレント
表向きはごく普通のタレント事務所だが、裏では子役への酷使を行っている。

単行本[編集]

  1. ISBN 978-4-09-124355-3 2013年7月18日発売
  2. ISBN 978-4-09-124459-8 2013年10月18日発売
  3. ISBN 978-4-09-124518-2 2013年12月18日発売
  4. ISBN 978-4-09-124582-3 2014年3月18日発売

脚注[編集]

出典[編集]

関連項目[編集]

  • 明日、ママがいない - 実の親からの愛情を満足に受けなかった子供を主人公にしたドラマで、野島が脚本監修を担当している。

外部リンク[編集]